2008年5月19日月曜日

「日本はイナカに人が住みすぎ」(冨山和彦)


日経ヴェリタスで今度の「新前川レポート」作成メンバーに選ばれた冨山和彦氏がいろいろいいことを述べている。メモ。


抜粋:
  1. 「前川レポート」の21世紀版作成を目指す「構造変化と日本経済」専門調査会のメンバーに選ばれた。既成概念にとらわれず議論して行きたい。
  2. 経済のグローバル化が進む中で日本の国富をどう増やすのかが最大の議題だ。幕末のような攘夷思想では国富の流出は止まらない。
  3. 格差問題には「反市場的な慣行・慣習がもたらす格差」と「市場経済化がもたらす格差」と二つがある。圧倒的に「反市場的な慣行・慣習がもたらす格差」の方が多く存在する。無理して所得再配分で問題を解決しようとすれば日本の国際競争力はますます低下する。
  4. 都市と地方の格差も議論が必要。日本は都市化が進んでいると見られているが,実は都市部人口は6割。英国は9割超だ。日本は人口が拡散しているため,サービス業の効率が悪く,農業も兼業が多く大規模化が進まない。「コンパクトシティー」政策が必要だ。「国土の均衡ある発展」を目指す政策はもはや通用しない。標準的モデルは結果としてどの地方にも当てはまらないという矛盾に陥っている。

「9割」と「6割」とは、とても大きな違いだ。ヨーロッパの田園風景の美しさには目を奪われるが,要は田園に人が住んでいないために美しいのである(醜い看板や箱ものがない)。ほとんどの住民は都市に住むからこそ「市民」階級が生まれる。皆してイナカに住んでいるニッポンに「市民」が生まれない理由が分かった。

Posted: Mon - May 19, 2008 at 12:52 PM   Letter from Yochomachi   名言(迷言)集  Previous   Next   Comments (7)

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